そもそも多肉植物ってナニ?
多肉植物とは、茎や葉、根に水分を溜めることの出来る植物のこと。南アフリカや南米などの、雨が少なく乾燥した地域が主な原産国であることから、雨が降らなくても枯れないようにと、自ら水分を溜め込んでおけるようになったと言われています。
「水やりはほとんど不要」「日当たりの良い場所に置いておけば大丈夫」と、単純に思われがちな多肉植物ですが、実は、タイプによって、水やりの頻度や好む場所が変わります。そのタイプとは、四季に合わせた3つの成長サイクルのことで、大きく分けて「春秋型」、「夏型」、「冬型」があります。
ここでは、タイプ別の特徴と、置くだけでおしゃれなインテリアになるおすすめの多肉植物をご紹介。
風通しの良い日なたを好む「春秋型(4~6月、9~11月)」
春秋型とは、春(3~5月)と秋(9~11月)が成長期の多肉植物。10度~25度くらいの風通しの良い日なたを好みます。夏は半日陰、冬は日当たりのよい室内に置くようにしましょう。
水やりは、春夏は土が乾いたらたっぷり与え、夏と冬は月に1~3回程度でOK。
「春秋型」のおすすめ多肉植物の品種4種
- 「エケベリア」(左上)
平たく大きめの葉が特徴。大きな花のようなロゼット状で、成長しても高さは低め。 - 「セダム」(右上)
通称「万年草」。耐久性があり、育てやすい。黄緑色の小さな葉と茎で地を這うように成長する。 - 「ハオルチア」(左下)
蜜に重なった葉が放射状に展開。成長しても15cmほどと小ぶりなサイズもかわいい。 - 「クラッスラ」(右下)
小さくかわいらしい花を咲かせる多肉植物。葉が紅葉したり、垂直に成長したりと、豊かな表情も特徴。
暑さと太陽の光が大好きな「夏型(4~10月)」
夏型は、4~10月の20~30度の気温のときに成長をします。暑さと太陽の光を好むので、基本的には日当たりの良い場所で育てて。水やりは、夏場は土が乾いたらたっぷりと与えますが、冬場は断水して冬眠させます。
「夏型」のおすすめ多肉植物の品種4種
- 「コチレドン」(左上)
丸い葉を縦に並べるように成長。葉の先端が赤く染まり、スズランのように垂れ下がる花が咲く。 - 「アガベ」(右上)
暑さと寒さに強く、耐久性がある。鋭く肉厚な葉のユニークな見た目から、男性にも人気。 - 「アデニウム」(左下)
花を咲かせたり、幹が太く大きく育つ。その特徴的なフォルムから、盆栽のようにして楽しまれることも。
- 「カランコエ」(右下)
葉が2対1で茎に付く多肉植物。葉の表面に白い毛を生やしている「月兎耳(つきとじ)」や、粉を纏った「ブラクテアータ」が人気。
夏のお手入れに要注意な「冬型(9~6月)」
冬型は、9~6月の気温が5度~20度くらいの間で成長します。冬の間は、土が乾いたらたっぷりと水を与えますが、夏は断水させ、乾燥気味で育てるとよいです。夏の蒸し暑さが苦手な品種なので、冬は日当たりのよい室内で、夏は風通しの良い半日蔭に置いてあげましょう。
「冬型」のおすすめ多肉植物の品種4種
- 「リトープス」 (左上)
扁平な球場の葉が特徴的な多肉植物。年に一度外側の古い葉がしおれて、脱皮をする珍しい品種。 - 「コノフィツム」(右上)
単一の葉からなり、複数の目がクッション状に群生し、白・黄色・ピンクなどの華やかな花を咲かせる。リトープス同様、脱皮をする植物として知られる。 - 「セネシオ」(左下)
ツル状のもの、根が肥大したもの、葉や茎に毛を纏うものなど様々。多肉植物の中でも水を好むので、乾燥させすぎないように育てる。 - 「フォーカリア」(右下)
三角柱のような肉厚の葉で内側にはギザギザとした柔らかいとげがある。暑さにも寒さにも強く耐久性があるので育てやすい。
ひとえに多肉植物と言っても、種類や特徴はさまざま。成長時期や得意な環境・苦手な環境さえ覚えておけば、それほど手間をかけずとも楽しむことが出来ます。
それぞれの成長スピードも比較的ゆっくりとした多肉植物が多く、鉢の植え替えや株分けなども頻繁に行わなくても大丈夫なので、初めてグリーンを楽しむビギナーにもぴったり。
インテリアに合わせて、グラスやジャムの空き瓶に入れてアレンジしても素敵なので、自分らしいコーディネートでぜひ取り入れてみてください。
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- text:
- KURASUTERRACE 編集部
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- Shutterstock